エネルギーシステム工学コース
社会システムの維持・発展と地球環境の保全をどのように調和させていくのか、この問題の解決は21世紀の最大の課題です。エネルギーシステム工学コースでは、この21世紀のエネルギー環境問題に挑戦する技術者・研究者の育成を目指して、エネルギーの発生、変換、輸送、貯蔵などの供給側の立場に始まり、エネルギー消費に係わる環境問題までをカバーするシステム工学に関する教育・研究を行います。新たなエネルギーシステムの開発、既存エネルギーシステムの高効率化や安全性・経済性の向上、環境負荷の少ない生産システムの開発、環境変化の予測と制御などの課題に挑戦します。
エネルギー化学工学
将来の世界を支えるであろう核融合・核分裂エネルギーシステム、水素エネルギーシステムの開発研究を通じて、目的成分抽出、同位体分離、熱利用等の化学工学を中心とする高度な専門知識と豊かな創造性を有し幅広い分野で活躍できる人材の育成に努めています。
プラズマ理工学
プラズマ理工学研究は新たな時代に入り、これまで成し得なかった多くの実験が可能になってきました。本教育分野では、「プラズマを知る」「プラズマを使う」ことをメインテーマとして、新しい研究領域を開拓しています。具体的には、プラズマの流れ場の構造を解明する基礎的研究から、プラズマを用いたバイオ、医療、農業、宇宙分野への応用技術の開発まで、多彩な研究開発を行います。
エネルギー物理工学
エネルギー、医療、宇宙開発分野におけるミクロな粒子線(中性子やミューオン等)の先端的応用を目指し、物理と医・工学の境界領域の研究を行っています。例えば、がん診断用の新しい放射性薬剤製造、放射性廃棄物の低減や資源化のための核変換、宇宙線ミュオグラフィによる地中空洞探査技術の研究開発に取り組んでいます。
力学エネルギー理工学
地球環境保全の観点から、エネルギーの有効利用と公害抑制に関する技術開発を進めるためには、気体の流れを科学する流体力学の知識が必要になります。本教育分野では、高速輸送機器の高効率化を念頭においた超音速流れで発生する衝撃波や波動伝播などの現象の解明、コンピュータを駆使した流れの数値シミュレーションなどの研究を行っています。
エネルギー変換機器
エンジンや空調機のように、熱から仕事を得たり、仕事で熱を移動させたりするエネルギー変換機器は文明社会に不可欠ですが、有害排出物や二酸化炭素の排出量低減が強く求められています。私たちは、燃焼解析による天然ガスエンジンの熱効率向上、オゾン層を破壊しない冷媒を用いる空調機の性能向上などを目指しています。
環境伝熱学
人間の環境へのインパクトの多寡は人間個々の行動、人間が時間の大半を過ごす建物の性能や都市構造に大きく支配されます。一方で、多数の人間からなる社会と環境の間には複雑なダイナミクスが存在します。本教育分野は、こうした人間-建築-都市-社会ネットワークという幅広い空間スケールに対し、快適性と環境性の二律背反問題解決への貢献を目指した研究教育を行っています。